改正高齢法と継続雇用制度奨励金について

改正高齢法と継続雇用制度奨励金について
改正高齢法が今年18年4月に施行されました。
改正が行なわれた理由は「年金」との関係にあります。
今年から老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられました。
現実問題として年金額が減ってしまった世代が出てきたわけです。そこで、
この対策として、65歳まで働いて稼いでもらいましょう。
雇用の継続を義務化する改正を行なったわけです。

◎改正は今年18年度からです。ということは、仮に就業規則の定年年齢が
60歳のままであっても、本人が希望すれば63歳までは雇用を確保しなければ
ならないということです。
さらに平成25年からは65歳未満の定年年齢を定めることは許されなくなります。

◎そこで行政は早期にスムーズに65歳までの雇用を確保したいという思惑から
法律上の「特例」、助成金、ペナルティのいわゆるアメとムチを用意しました。

この項では、法律上の特例で得をして、助成金を貰ってさらに得をするお話させていただきます。

☆特例
改正法が求めるものは下記の3つのうちいずれかを選択して下さいというものです。
1、定年延長  2、継続雇用制度の導入  3、定年廃止
この3つの中で9割の企業が継続雇用制度を選択しています。
制度としては最も現実的だからでしょう。

さて、特例とはどういうことなのでしょうか。

@本来は「希望者全員雇用」が原則でした。

Aでも、「継続雇用者の基準を作ったら希望者の選別しても良いし、基準を作れば
 雇用継続確保措置を行なったとみなします」と付け加えました。
つまり基準に達しない者は雇用継続をしなくても良いということです。
全員雇用規定をここで緩めたわけです。<

Bただ、その基準作成は「労使協調で行なってください。労使協定か労働協約で定めてください。」
と規定しました。労働者側のチェックと同意を求めたわけです。

Cでも、「協調が不調に終わったら、就業規則で定めてもよいですよ。」となりました。
ここでまた労働者側の同意規定を緩めています。
就業規則で定めてよい期間は大企業で3年以内、中小企業で5年以内です。

これはどういうことでしょうか。

就業規則は使用者側が作成する社内ルールです。労働者の過半数代表者は意見を述べるだけ、
不同意でも成立するものです。いまなら会社に有為な社員を会社の基準で選別できるというわけです。
一方、労使協定・労働協約は従業員側の同意がなければ成立しません。基準に関して譲歩も必要でしょう。
そうです!!今が使用者の立場で基準作りが自由にできる最大のチャンスなのです。
この際、就業規則の変更、作成の着手をぜひお勧めします
就業規則の作成、変更は当事務所へご依頼ください。

☆助成金
継続雇用制度奨励金。 
これが65歳までの継続雇用制度を定めた事業主さんに支給される助成金です。
(わかりやすくするため定年延長や定年廃止を除いた形で話を進めます)
詳細な要件は9項目で、その全てに該当したら支給するとしています。
しかしポイントは2点に絞られます。
@「会社に1年以上継続雇用される60歳以上65歳未満の従業員が1人以上いる」
A「就業規則等に継続雇用制度等の導入措置をしていることを明記して労基署に提出している」
さて、支給金額ですが、以下のとおりの額が1回に限り支給されます。
継続雇用制度
従業員数 62才⇒65才(3年) 63才⇒65才(2年) 64才⇒65才(3年)
       申請年度 平成18年度まで 平成21年度まで 平成24年度まで
1〜9人 45万円 30万円 15万円
10〜99人 90万円 60万円 30万円
100〜299人 120万円 80万円 40万円
300〜499人 180万円 120万円 60万円
500人〜 210万円 140万円 70万円
3 2 1
この表、よくわからないと思いますが
1、御社の従業員数は何人か。⇒ 2、各申請年度の間に申請するといくらか
というように見ていきます。
そうしますと、申請年度が遅くなるほど支給額が少なくなり、減額率は3対2対1
で減っていく
→早くやったほうが良いですよ、という読み取りができます。
表の中の62歳とか63歳って何かといいますと、例えば21年度では定年63歳未満はもはや法律上
認められません。(21年度は65歳の本則を63歳と読み替えている年度ですから。)
実際は60歳から65歳に引き上げても63歳からの2年間しか引き上げていないとみなすので、
助成金も減りますよ、という解釈です。

◎助成金申請条件をさらに詳しくしたい方はこちらをクリックしてください。
 簡単助成金診断シートを送ります。<


◎ご相談はこちらから。

最後にムチのほう、ペナルティについて書いてみます。<

☆ペナルティ
確保措置を無視します。やらないとなったらどうでしょうか。
罰金や懲役刑まではいきませんが、面倒くさい行政介入が待っています。
経営に当然差し支えます。しちめんどくさい行政の調査につきあわなければなりません。
法律上の表現は「厚生労働大臣の助言・指導・勧告」です。
ここで社労士に依頼しても受ける事務所は・・・。

☆結論
65歳までの確保措置はイヤでも何でもやらなければいけません。
それなら早くやって返済不要のお金=助成金を貰ったほうが得ですよね。

☆大きなオマケ
おまけの話ですが60歳以上65歳未満の従業員が「今はいない。これから採用する。」<br> これをハローワーク紹介か職業紹介事業者から採用するとします。2年以上雇用が見込まれると
「特定就職困難者雇用開発助成金」=該当労働者の年間賃金の3分の1の助成金が受給
できます。300万円の賃金として100万円ですから大きいですよね。